まろやんの徒然猫草

草紙といえる程のものでも無い道端の猫草ですが、その時々の興味があることを書き連ねていきます。

この愛は、異端。 感想・考察(ネタバレ有り) 第3話

漫画『この愛は、異端。』感想・考察(ネタバレ有り) ~第3話~

※既読者向けの内容になりますので、未読の方は是非作品を先にご覧ください。

この愛は、異端。 1 (ヤングアニマルコミックス)

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第3話、バアルに突き放され深く傷ついたよしのが、旭君に出会い彼の優しさに惹かれていきます。ですがバアルに肩入れする私にとって旭君の場面はいつも読み飛ばし気味…(笑)

 

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バアルがまるで親のように自分に優しくしてくれた過去を回想するよしの。7年にも渡る日常の慣れ合いでついつい心から信頼してしまいそうになるけど、あくまでバアルとよしのの関係は捕食者とその餌でしかない…。

…という初見時のストーリー説明は置いておいて、改めて読み返すとバアルの深いよしの愛を感じる場面ですね。お金持ちだけどあえて12畳のワンルームなのはバアルに慣れさせる為でもあるけど、PTSDに苦しむよしのにすぐ寄り添い不安と恐怖を取り除いてあげるため。こうしたバアルの献身的なケアのおかげで、成長したよしのはもはやPTSDに悩まされる様子は見受けられません。(むしろ食い意地の張った寝言を言うぐらい、いつもすやすや眠ってますね)

ただ、よしのにここまで心の傷を負わせるような親戚たちの行動をバアルがもっと未然に防げなかったのか、その点が少し引っかかりました。でも改めて考えなおすと時系列的には、よしのを狙った山神と命がけで戦いボロクソになった状態(全治半年位?)のすぐ後だと思うので、そんな半死の状態ではバアルも本来の力を出し切れなかったのかな…という気もします。

 

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旭君との楽しい会話にて。体に悪い店屋物じゃなく毎日心のこもった美味しい手作りの食事が食卓に並んでいる事の有難さ、まだこの頃のよしのは理解できていませんね。

でもこういう親の心子知らずなエピソード、よしのだけじゃなくほとんどの方が経験している事だと思います。離れてみて初めて分かる、親の有難み。

 

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全編を通して感じられるバアルのよしの愛の中でも、私は特に料理に関するエピソードが好きです。同居を始めた直後、さすがのバアルも料理までは作れない…と難色を示していても、ひもじい思いをしているよしのを見て庇護欲が掻き立てられ一所懸命に料理を作り出す。しかもたったの一週間で美味しい料理にまで仕上げる、このバアルの姿が本当にいじらしいです。だって自分自身は全く食事を必要としないのに。

まあ、よしのも13歳なら自分で料理ぐらい作りなさいよ…と思う方もいると思いますが、かつては両親に甘やかされ(お米を洗剤で洗おうとするほど、お手伝いなどしてこなかったし)そしてバアルにも甘やかされていては、中々自立心も育たなかったでしょうからね。

 

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旭君と楽しく会話をしていたよしのの前に現れるバアル。表向きは保護者としての立ち位置だけど、旭君に向けるその表情は恋人を取られた男の目…。 森山先生のツイッターでは、本編中で旭君と別れた後の二人の会話が別視点で描かれていますね。 普段通り平静を装いながらも旭君の事について色々探りを入れるバアル、保護者の立場としての過保護さに加えて恋人としての嫉妬心が芽生えて来たという感じでしょうか。

 

以上、第3話とそれに関連するおまけマンガの諸々ポイントでした。次回もまだ旭君の登場が続きますね(辛い)